暑い夏に寒くなれるブログ

暑い夏に寒くなれるような怖い話を中心に書いてみたいと思います。

ビル100階 2

若い男性四人ほどが、100階建ての超高層ホテルに泊まった。偶然な事に、
その男性らの部屋は100階だった。夜になり、「よし、めし食いに行くか」
という事になり、一階までおりて夕飯を食べに行った。
食べ終わりホテルへ戻ると、エレベーターが全て故障のため止まっていた。
すぐ直るかと四人はロビーのソファで少し待っていたが、どうも直りそうもない。
筋トレも兼ね、階段で行くかって事になった。
「ただのぼるだけじゃヒマだから、一階のぼるごとに怖い話をしていこう」と案が出た。
そうする事にした。怖い話をしながら、ちょうど99話分話し終えた。
目の前に見える階段が最後だ。ついに100話目だ。
「よし、俺が超とっておきの話をしよう。めちゃくちゃ怖い話だぞ。もしかしたら
トラウマになるかもしれん。・・・・よく聞けよ」
そこまで怖い話なのか。三人は階段を上りながら期待して待った。












「100階建てのビルじゃあ、99話までしか話せないはずだぞ」

裏クレヨン

クレヨン1


 私の妻は、二週間前に病死しました。
 妻の死は、私の一人息子にとって、あまりにも悲しい出来事だったのでしょう。
 いつも素直で、明るく元気だった息子は、妻が死んだ時、泣きながら妻の亡骸から離れようとしませんでした。
 それ以来、私の息子は口数が少なくなり、いつも一人でブロック遊びばかりをするようになったのです。
 また、妻が死んでからの息子は、毎日おねしょをするようにもなりました。
 それでも私は、「時間が経てば、息子も心の傷が癒え、昔の元気を取り戻すだろう」と、楽観的に考えるよう努めていたのです。
 そして、私は毎日、息子に明るく接するようにしていました。
 でも、私には仕事もあり、息子と一緒にいられる時間が限られていたのです。
 私はそれが歯がゆくて、会社でも息子を心配するあまり、仕事で致命的な失敗をすることもありました。
 そんなある日、私が会社から帰宅すると、何と息子が、灯油を手ですくい舐めていたのです。
 私は慌てて、息子を叱り付けてしまいました。
 でも、それからも息子の奇行は、修まらなかったのです。
 修まるどころか、息子の奇行は、どんどんとエスカレートしていきました。
 砂や粘土を食べたり、クレヨンを食べたりと、とにかく息子は、何を食べるか分からない状態だったのです。
 私はやむを得ず、息子が変な物を口に入れないよう部屋に閉じこめ、会社に行きました。
 「仕事が終わったら、すぐに病院へ連れて行こう」
 私は、そう考えていたのです。
 でも、それが間違いでした。



   クレヨン2


 私が息子の所に来た時、すでに息子は死んでいたのです。
 息子は部屋中に「おとうさん だして」と書いていました。
 息子は飲み込んでいたクレヨンを吐き出し、そのクレヨンを使って書いていたのです。
 息子は、さぞかし寂しく不安な気持ちだった事でしょう。
 私はすぐに、息子の亡骸を部屋から出して上げました。
 そして私は、
 「ごめんな」
 「ごめんな」
 と泣きながら、何度も息子に呟き続けたのです。
 息子の葬式中も私は、息子に対して申し訳ない気持ちで、いっぱいでした。
 だから私は、息子が安らかに成仏できるよう懸命に祈ったのです。
 でも、無駄でした。
 息子は、まだ成仏できずにいます。
 その後も、息子を閉じこめた部屋から、声が聞こえました。
 「おとうさん だして」
 「おとうさん だして」
 と、息子の声が・・・。
 息子は、部屋中に「おとうさん だして」と書いていました。
 椅子に登り、高い所にまで・・・。
 そして息子は、椅子から滑り落ち、恐怖のあまり目を堅く瞑ったまま、死んでしまったのです。
 私は息子の声に耐えられず、家を売りました。
 そして、今でも私は、息子を閉じこめた部屋に近付く事がありません。
 きっと息子は、今でも目を閉じたまま、出口も分からずに叫び続けているでしょう。
 「おとうさん だして」と・・・。



 行き場を無くした、ぜんぜん怖くない話を書き込んで、すいません。

マラソンランナー

マラソンランナーの話し。
家と家が連なる住宅街。そこにマラソンランナーの霊が出ると言う。
夜、寝ているといきなりランナーが壁から現れ走り去り反対の壁へとすり抜けて行くらしい。
恐いというかあっけにとらわれるようだ。
そしてランナーはそのまま隣の家へとお邪魔する。
この事は近所で有名だった。
マラソンランナーは必死に走り続けた。昔あるマラソン大会で途中心臓に異常を起こしゴール出来ずに亡くなった人がいた。
思い立って壁から壁へと白いガムテープを張った人がいた。
そして夜マラソンランナーが現れるのを待った。
マラソンランナーは白いガムテープを通り過ぎた
瞬間、『ありがとう。もう悔いはない。』とゴールを成し遂げた。
それ以来マラソンランナーを見た者はいない。